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もしかしたらあなたには信じられないかもしれませんが、性格というのはこのような小さな決断の集合体の事を言うのです。つまり、性格というのは、自分自身で決断を繰り返し、自分自身で築き上げたものです。このような臨床例をご紹介しましょう。
何故か自分は、恋人をいつも怒らせてしまうのです。後で、彼女を不快にさせて悪かったなと思うのですが、何故だかいつも、彼女が怒るような事をわざとしたり言ったりしてしまうのです。楽しくデートしている時、冗談めかして彼女が傷つくような皮肉を言ったり、今こんな皮肉をいったら彼女が怒るだろうとわかると、言わずにはいられません。
出来たら、そういうのを止めたいんです。
この方は、子供の頃、母親の注意を引くために、わざと家具を壊したり飲み物をこぼしたりして粗相をしていました。そうやってお母さんを怒らせれば忙しくしているお母さんでも自分の処にきてくれると思ったからです。実際、彼のお母さんはいつも彼が粗相をする度に飛んできて、がみがみと叱りながらも後始末をしたそうです。つまり、彼はこの経験を通じて「かまって欲しい時には怒らせよう」という決断をしていたのでした。
子供が、親の注意を引くために怒られるような事をわざとしでかすのは、よく知られている事ですが、どうして「親にかまってもらう為に親が喜ぶ事をしよう」ではなく「怒られる事をしよう」とするのかを疑問に思われるかもしれません。しかし、子供にとって、「親を喜ばせる何かをする」のも「親が怒る何かをする」のも心理的には同じ事なのです。目的は同じで、親からかまってもらいたいのです。親からかまってもらう事は子供にとって必要不可欠な事で、親からかまわれない子供は自分の存在感を得ることが出来ず、心理的に図り知れない不安を感じます。存在感の欠如は、命の危険でもあります。ですから手段は選ばず、怒らせてでも、親からかまわれる事を必死に探し、決断します。
さて、この方が恋人を怒らせてしまうのは、言うまでもなく、そうすれば恋人の愛情を得られると無意識下で決めつけているからです。理屈に合わないと思うかもしれませんが、無意識ではそう考えているのです。幼いころに決めたままに、です。
しかし「愛情が欲しい時には相手を怒らせる」という決断は大人になってからは色々と不都合です。そのままでは恋人に愛想をつかされてしまうかも知れません。結婚してもけんかが尽きず、子供が生まれても子供に意地悪をするお父さんになってしまうかも知れません。ですので、その方は「愛情が欲しい時には相手にそうお願いしてみよう。あるいは、ストレートに伝えてみよう」という決断に変える事にしました。
この臨床例を見ても分かるように、「親がこんな自分にした」のではなく、あなたが自分で今の自分を作ってきたのです。もちろん、親が子供に与える影響は大変大きなものですから、今現在、子育てをしている方にはその点は是非よく考えて頂きたいのですが、それとは別にして、大人になって自分の人生に不都合が起こった時に、いくら自分の小さな頃の親をいくら責めた処で過去の事はどうにもなりません。それよりも、自分で作った性格なのだから、今からでもちょっと手直しすれば良いのです。
そんな事できるだろうかと多くの方が首をひねったり、難しい顔になったりします。できるのです。
自分で決めた決断は、まだあなたが小さな頃にした決断でした。ですから今、大人になって、社会に出た時にその決断がちょっと不都合になったりします。だったら、大人の今、より自分の人生に合う形、望ましい形で、不都合な部分だけ決断をし直せばいいのです。私は、その再決断のお手伝いをちょっとするだけです。
再決断に、年齢は関係ありません。何歳になっていても、自分の性格を変えることは可能です。自分が望むままになるので、とても楽に生きられるようになります。
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