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喪失感


夫(妻)との死別

子供との別離

ペットとの死別

離婚/絶交

思い出の品を無くす

親の再婚

喪失感とは、自分の愛情・深い愛着の対象となっている「大切なもの」を失った時(または失ったと思った時)に感じる苦痛です。失ったものへの愛情や愛着が深いほど、心のバランスを崩し、さまざまな社会への適応障害を起こしたり心因性の体調不良になったりします。

喪失感で苦しむとき、「どうしても離れがたいという気持ち」と「もういい加減立ち直らなければ」という気持ちが激しく対立している為に、正常な心の機能を阻害し、葛藤しています。

葛藤の状態そのものが、心の内側で起こる炎のようなもので、自分自身の心身の健康を痛めて行きますが、それが分かっていても本人には簡単には解決できません。喪失感で苦しむ時には、とても上手な聴き役をしてくれる人か、専門家に側にいてもらうことが大切です。

死別、離婚、子供の独立、ペットの死亡、恋人や友人との別れ、親の再婚、思い出の品を失うなど、いずれでも起こりえる状態です。

例:
火事による焼失で、思い出の品をすべて失ったことにより、強い喪失感で母親が無気力になった。家族のほかのものは割り切りが出来、新しい家の青写真を楽しく語るが、母親だけは心から再出発できずに取り残されているような状態になってしまう。

例:
子供が大学進学で家を出て行くと同時に母親が喪失感や体調不良、不安感に苦しむようになった。(これを「空の巣症候群」といいます)自分の愛する対象(子ども)との別れが健全な形であるにも関わらず、母親の心には「世話を焼く対象の喪失」によって自分の価値が崩れてしまったような感覚がアンバランスに残ってしまう。

喪失感自体は人としてごく自然な感情であり、病気ではありませんが、長期間喪失感から立ち直れない状態を放置すると、周囲の回復から自分が取り残されていくという「孤独」を自覚するようになります。孤独は人間の心にとって非常に良くない影響のある感覚で、孤独や不安からうつ傾向が強まり、自殺に至る事もあります。

喪失感の原因となる出来事から2週間経っても気持ちが持ち直せない、またはより落ち込んでいる、体調不良の症状が出ているというような場合、早く専門的なケアを受けるべき状態です。カウンセリングでは相談者の気持ちを十分受容し心が安定するまでケアします。


【 追記: 被災された方へ 】

特に、今回の東日本大震災で被災された方の場合は、家、思い出の品、家族、友人、ペット、職場、仕事など様々な大切なものを一度に失っています。そのような場合は、当然回復までに相当の時間がかかりますが、時間がかかるからといって放置することは避けてください。

泣くこと、嘆くことは健全性を回復するために欠かせないプロセスです。それらを避けすぎないようにしてください。感情を感じることによって心の傷は回復します。わざわざ辛いことを思い出そうとする必要はありませんが、涙が出そうな感じがしたらただ自然に泣いてみてください。声を上げたくなったら、叫んでみてください。あなたの心は、回復しようとして感情機能を使っています。自分自身の生きようとする営みを信頼してください。

愛する対象への、自分の大切な思いをきちんと整理し、消化する方向へ対処してくれる専門家と一緒に心の状態に向き合うことがもっとも早い回復の道となります。傾聴のボランティアを受けることも、心の支えの一助になります。一緒に泣いてくれる人がいたら、支えてもらうことを恥だと思わず、どうぞ受け入れてください。あなたは決して弱い人間ではありません。

主に用いる心理療法:交流分析・セルフリペアレンティング・ゲシュタルト療法


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