●人は、自分では自分を変えられない?●

こうしようと思っているのに、どうしてもできない。わかっていてもやめられない。

前向きな気持ちになれない。朝起きられない。暴飲暴食をやめられない。眠れない。頑張ってもいろいろ試しても、うまく行かない。つい余計な一言を言ってしまう。くよくよしても仕方ないと分かっているのに、いつまでも泣いてしまう。はっきり人に言いたいことが言えない。それが問題だとわかっていても、自分では行動できない。努力しても努力して、一生懸命、自分を克服しようとしてるのに、挫折してしまう。

だれにでも少しは覚えのある事です。それはどうしてでしょうか。

自分の努力が足りないから?

性格が弱いから?

いいえ。そうではありません。

実はこのように努力してもあなた一人ではどうにもならないことには、「こころ」の仕組みに秘密があるのです。

私たちは、脳によって判断し、脳によって行動を制御します。こころの働きは、脳の働きです。こころの働きを変えなければ、行動を変えることは容易にはできないのです。そして、こころの働きがどうなっているのか、人は自分の事でも分からない事が多く、また分かっていても自分では容易には変えられないのです。

そんな事はない、自分の意志の力で、自分はコントロールできるはず、とおっしゃる方が時々いらっしゃいます。それでは、実験してみましょう。

今から私の言う通りに、ちゃんとご自分をコントロールしてみて下さいね。

それでは、大きなゾウがあくびしている処を

頭の中で

想像しないで下さい。

くれぐれも、想像しないで下さいね。どうでしょうか?

意外と難しいのではありませんか?

つい浮かんでしまうイメージを消そう、消そうと何度も努力してしまうはずです。

これが、脳の複雑な働きの一つです。大きなゾウというよく知っている映像を、脳幹や大脳辺縁系ではすぐにイメージとして処理しようとします。「想像しない」というのは大脳新皮質(理性、意識)で行う処理です。イメージしようとする力と、その力を押さえようとする理性の力では、イメージの処理の方が作用が強い事がわかりますね。私たちの脳は、大脳新皮質の働きより、その下にある辺縁系や脳幹の働きの方が、より本能に近いので、制御が難しいのです。

右手に汗をかいて下さい、と言われて出来るでしょうか。左目に涙を流して下さいと言われて、出来るでしょうか。特別な訓練でもしない限り、無理ですね。これらはいづれも、大脳新皮質から、辺縁系や脳幹をコントロールしようとする事です。そんな事が出来てしまったら、心臓を止めたいと思った時に止められる事になります。死んでしまいます。命を維持できなくなります。ですから、大脳新皮質からは、その下にある辺縁系や脳幹を制御できないのです。

分かっていても自分をコントロールできないというのは、実はこういう事なのです。禁酒、禁煙、ダイエットに失敗するというのも、心理カウンセラーの目からみれば心の問題の領域です。

そしてその仕組みを知っている人の手助けがあれば、あなたは自分で変えたい自分に、なりたい自分になる事ができます。


私たちの脳は、大変複雑で神秘に満ちています。まだ十分に解明されておらず、わかっていない事の方が遥かに多いのです。けれど、こころと呼ばれる脳の働きの専門家がいます。その専門家の中で、特に、実践的に直接相談者と対面し一緒に問題解決に当たる人、それが心理カウンセラーと呼ばれる職業の人です。一人では変えることの難しい、こころという名の脳のシステムを専門的に学び、あなたが変えたいと望むように変わるお手伝いのできる専門家です。


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