●当カウンセリングルーム臨床例から見る、回復までの4つのステップ●

どうやって、回復への道を辿るのかをご説明します。一人のこころ、一つの相談ごとに治療目標が違いますので、ひとくくりには言い切れませんが、葉月カウンセリングルームの臨床例から見ると、おおよそこのような過程を辿ります。

●カウンセラー側

●クライエント(相談者)側

第一段階 【 聞く段階 】

相談者から、置かれている状況、もっとも相談者が問題にしている事や苦しんでいる事などを教えてもらいます。聞きながら、同時に、相談者のこころの中に隠れている、本当の原因を探します。

相談者は、自分の気持ちを受容してもらえる安心感を感じながら、少しづつ、カウンセラーに信頼を置いていきます。そしてなかなか口に出来ないような苦しみをようやく話し始め、自分の問題に向き合う勇気を蓄えて行きます。

第二段階 【 目標設定 】

クライエントが困っている状況をどのように解決したいのかを明らかにします。

たとえば、眠れないという相談なら、ぐっすり眠れるようになる事。これは目標も明らかですが、中には自分がどうしたいのか、混乱している為に本人にも分からなくなっている事もよくあります。そのようなクライエントの場合、本人はどうしたいのか、どのように現状を変えたいのか、話をじっくりと聞きながら、少しづつ整理して、カウンセリングの目標を設定します。大体初回の面談でここまで終了します。ここまでがスムーズなら、初日でも次の段階に進みます。

混乱をほどき、自分の苦しみを具体的に感じながら、解決したい方向を探します。近い未来の自分の姿を、出来るだけよりよいものにイメージして、目標を立てます。

自分の問題が何であって、その問題をどのように変えたい、克服したいのか。これを具体的に、そして適切に考えるには、心の混乱が解けていないと出来ません。

きちんと適切な目標設定ができるという事は混乱をある程度整理できたという段階に進んでいます。

第三段階 【 探索 】

クライエント自身が問題だと思っている事は、実は表層の問題で、本当の問題の原因は心の奥底にしまわれているものです。カウンセラーは本当の原因となっている意識を、クライエント本人と一緒に探します。原因の9割までが、幼いころの経験の中に隠れています。本人が忘れていた事まで、思い出してしまうという事はよくある事です。交流分析を使って分析しています。

カウンセラーが質問する事に答えながら、自分の心に浮かぶイメージや記憶に深く残っているシーンを探して行きます。できるだけ過去へさかのぼって、思いだす作業をします。そしてその時感じていた感情を、感じる事に集中します。その感情と、今現在、問題が起きた時感じている嫌な感じが同じであるか検証します。

このとき、記憶では覚えていなくても体の感覚だけが残っている場合もあります。体の感覚にも注意を払います。

第四段階 【 ワーク(問題の解除・解決) 】

心の奥にしまわれていた原因が分かれば、カウンセリングは道のりの半分まで到達したようなものです。あとは、その原因となっている経験に付随している感情を、修正するためのワーク(治療)を行います。このワークの内容は、相談ケースによりさまざまです。絵画を利用するものや、ファンタジーワーク(空想を使う)、ゲシュタルト療法、家族療法、行動療法、自律訓練、再決断療法、認知行動療法など、さまざまな手法があります。また効果を上げる為には、相談者の好みや、現在の性格、置かれている状況の中から実行可能で現実的であるかどうか、などを考慮する事が重要です。ワークはケースごとに効果的なものが違います。

ワーク段階では、脳のかなり原始的な部分に刻まれている、行動原理の基礎を変更する作業を行います。何百もある行動原理の集合体が、人の「性格」と云われるものなのですが、その行動原理の中から、問題となっているものだけを、変更したり修正したりします。

未処理の感情を処理し、放置されていた古い心の傷を修復します。

そうすることで、クライエントの心は根本から変わり、問題は解消します。そして、なりたい自分になります。これには努力はほとんど必要ありません。ひとりでに、気づかないうちに、そうなっています。

カウンセラーが、クライエントの問題となっている原因を発見し、その場面を再現していきます。クライエントが自分で「これだ」と分かる場合もあります。

クライエントは、そのシーンに身を置いて、出来るだけその感情に浸ります。カウンセラーにサポートされながら、問題となった心の傷を再体験し、隠してきた本当の感情をきちんと処理して行きます。言えなかった言い分や、幼かったために触れることが出来なかった感情などを取り戻し、きちんと感じます。

取り残されていた感情の処理をすませたら、問題を起こしている、誤った思い込みや幼い決断(早期決断)の解除をして、再度今の人生に合った適切な決断をし直します。不当に歪められている自己価値、出来ないと思い込んでいるままになっていること…。それらを現実通りに修正します。

これらはすべて、きちんとカウンセラーがサポートしていますので、誤った方向へ進むことはありません。

この4つの過程を、時には行ったり来たりしながら、問題が解決するまでカウンセリングを行います。カウンセリングは通常週1回、数回から数十回行いますが、葉月カウンセリングルームでは基本的に、1回の治療で1つの問題を解消する事を目標としています。ただしケースにより方針は柔軟に考える事も基本としています。

恐怖症(高いところが怖いとか、虫が怖いなど)のケースは、治った事が分かりやすい例です。怖かったものが怖くなくなるので確認も簡単です。時に、治った事、問題が無くなった事に気づかないこともあります。カウンセリングを受けて何週間も経ったある日、ふと「そういえば、もう前みたいにイライラしないな」と気づくという風に、変化はごく自然に起こります。


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